コーヒーの香り

TSUBOCOFFEEは「5tha Wave」をコンセプトに”五感で楽しめるコーヒー屋”を目指しています。

可愛い壺釜焙煎機がくるくる回る姿を目で楽しみ、釜の中で豆の爆ぜる音と共に心が弾み、遠赤外線効果でじっくり煎られたコーヒーの美味しさを味わい、加工過程で変化する香りに癒され、そしてそれを口に含んだとき、はじめて深い感動と喜びに繋がります。

今回は、”脳”との関わりが五感の中で最も強いといわれる”香り(嗅覚)”について書いていこうとおもいます。

目次

  1. 2つの香り
  2. 変化するコーヒーの香り
  3. | 香りの4段階
  4. 香りの効果
  5. | リラックス効果
    | 集中力を高める効果
  6. コーヒー化学
  7. | 3つの化学反応
    | 焙煎ごとに異なる香りの効果
  8. 最後に

2つの香り

・鼻先香(はなさきか)

・口中香(こうちゅうか)

私たちが認識する香りの種類は2つあります。

鼻から香りの成分が入り嗅覚が刺激される「鼻先香(はなさきか)」と、食べ物や飲み物を口にしたとき鼻から抜ける香りの「口中香(こうちゅうか)」です。

風邪で鼻が詰まっているときに食べ物や飲み物の味がよくわからず美味しく感じられないのは、口中香が感じられる状態ではないからなんです。

つまり、私たちが”美味しい”と感じるには、口中香の役割が必要不可欠なんです。

変化するコーヒーの香り

| 香りの4段階

コーヒーの香りは、焙煎前と焙煎後、加工過程で次第に変化し、私たちに4つの香りを届けてくれます。

< 焙煎前の香り >

第1段階:生豆の香り

植物的な青っぽい香りと、生産地を思わせる香りです

< 焙煎後の香り >

第2段階:焙煎中や粉砕後の香り

この段階の香りを「フレグランス」と呼び、最も香りを発する瞬間で、コーヒー豆が砕かれることで香りの成分が放たれます。

第3段階:コーヒー抽出後の香り

この段階の香りを「アロマ」と呼びます。コーヒーを抽出する際、お湯によってコーヒーの持つ成分がほぐれ、気体となって漂うことで生じます。

第4段階:口に含んだ瞬間の香り

この段階の香りを「フレーバー」と呼びます。口に含んだときの液体から得る質感と共に得る香りのことです。最初の一口目で強く感じることができます。

香りの効果

コーヒーで得られる効果は2つあります。

・リラックス効果

・集中力を高める効果

< リラックス効果 >

脳がリラックスしているときに後頭部に表れる「α波」。このα波が増えれば増えるほど、リラックス効果が高まるといわれています。

そしてコーヒーはコーヒーでも、産地ごとにその効果が異なることが最近の研究で明らかになっており、ブルーマウンテンとグァテマラの香りにはα波が多く出現したといわれています。

< 集中力を高める効果 >

コーヒーの香りには、頭の回転を早くする効果もあります。コーヒーの香りが脳の情報処理能力に与える影響がどれぐらいなのか「P300」という指標で測ったところ、香りを得た後の脳は情報処理速度が上がり、より活性化するという効果が現れたそうです。

中でも、情報処理速度が特に早くなったのが、ハワイのコナ、インドネシアのスマトラ島のマンデリン、ブラジルのサントスの香りでした。因みに、リラックス効果が高い豆は、情報処理速度が遅かったといわれています。

コーヒー化学

| 3つの化学反応

“リラックス効果”や”脳の活性化”をもたらすコーヒーの香りとは何か、それは、コーヒー豆に熱が加わることで起こる3つの重要な化学反応によるものなんです。

・メイラード反応

メイラード反応とは、コーヒー豆が150度近くに達したとき「糖」と「タンパク質(アミノ酸)」が化学反応を起こして、コーヒー豆が褐色になり、香ばしい香りとうまみ成分が増す現象のことをいいます。

パンやお菓子を焼いているときの香ばしい匂いの正体は、メイラード反応だったんですね。

・カラメル化反応

カラメル化反応とは、コーヒー豆が160度近くに達したとき、豆の中の「糖」だけが反応して、ほろ苦い独特の香りが生まれる現象のことをいいます。

プリンのカラメルソースも「糖」に熱を加えることで、カラメル色に変化し、あのあのほろ苦い独特のおいしさが生まれるのです。

焙煎中の温度が180度を超えるとカラメル化は一気に加速し、「焦げ」の原因になるので、このあたりの温度調節や焙煎具合は技術が必要になってきます。

・ストレッカー分解

メイラード反応の中間過程で起きる現象で、α-ジカルボニル化合物とアミノ酸が反応し、コーヒー特有の香気成分を生み出す現象のことをいいます。

熱を加えることで起こる加熱香気には他にも、パンが焼ける匂いや、魚やお肉が焼ける匂いなど、食品ごとにその香気成分は様々です。

コーヒーの生豆はほとんど香りがなく、私たちの知っている”コーヒーの香り”にはほど遠いです。しかし、香気成分の元となる糖、アミノ酸などが焙煎によって化学変化を起こすことで、コーヒー特有の香りが生まれるのです。

|焙煎ごとに異なる香りの効果

化学反応の過程で生まれる”コーヒーの香り”、ということは焙煎度合いを調節すると、その分香りのバリエーションも増え、効果も異なります。

焙煎は、時間と温度などの度合いから「浅煎り」「中煎り」「深煎り」などに分けられます。深煎りになればなるほど苦みが増し、リラックス効果が上がります。

集中力を高めたいときは「中煎り」が最も効果的だと確認されています。

焙煎された豆から購入したい方には、そのときのシュチュエーションに合ったコーヒーがすぐに飲めるよう、予め焙煎度合いの異なるコーヒー豆を用意しておくのもいいかもしれません。

コーヒーが心強いパートナーになってくれそうな気がします。

最後に

コーヒーには何百種類もの香りの成分が含まれてあり、その数はワインよりも多いことが確認されています。化学的な要因で生じる「香り」、焙煎方法や焙煎時間が異なる分だけ、違う香気成分が形成され、生まれる風味も様々。

つまり、全く同じコーヒーの香りには二度と出会えないということです。

同じ人が、同じコーヒー豆で、同じ焙煎をしても、全く同じ香りにはなりません。

是非、次からは、コーヒーの味だけでなく、香りにも意識を向けて飲んでみてください。

TSUBOCOFFEEでは、国産生豆の販売から豊富な種類の豆をご用意しております。是非、生豆から変化するコーヒーの香りを楽しんでみてください。

香りから新たなコーヒーの美味しさが見つかるかもしれませんよ。

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